高梨沙羅選手が北京五輪のスキージャンプ混合団体の1回目で103mの大ジャンプ!
本人も観客も大きく喜んだのもつかの間、「スーツ規定違反」と判断されました。
これにはみなさん「なんで飛ぶ前に言わないんだ!」と疑問が残りますよね。
そこで今回は、高梨沙羅選手の失格の本当の理由や、スーツの規定・確認のタイミングを調べてみました。
高梨沙羅の失格はなぜ?本当の理由!
高梨沙羅選手が失格になった本当の理由はやはり「スーツの規定違反」となるでしょう。
ジャンプ女子日本代表の鷲沢徹アシスタントコーチが
「ジャンプスーツの規定違反。太ももが2センチずつ大きかった」
引用元:日刊スポーツ
と語り、さらには高梨沙羅選手自身は悪くないと強調されていました。
選手は飛ぶことに専念し、スーツはスタッフが適していると判断したものを選手に渡す。
アスリートとは自分だけの力ではなく、周りのサポートあっての結果になります。
そう考えると、大会で成績を残すというのがどれだけ素晴らしいことかが分かりますね!
高梨沙羅の失格・スーツの規定違反とは?
そもそも、スーツの規定や違反とはどういうことなのでしょうか?
スーツの規定とは?
スキー選手の着るスーツはジャンプスーツと呼ばれています。
サーフィンのウェットスーツをイメージしてもらえればいいでしょうか。
ただスキージャンプの場合、飛距離を伸ばすためにより良く風による浮力を受けるようにと考えるのが普通でしょう。
水泳選手なら、逆に水の抵抗をなるべく受けないように考えられるのと同じこと。
スキージャンプの選手は、昔はダボダボのスーツを来ていたのはそのためです。
ただ毎年規定が厳しくなり、今では身体にフィットしたスーツとなっています。
(2015年7月現在)の規定では、厚さは4~6mm以内、通気性は40ℓ/m²/秒以上と決まっています。
引用元:雪印メグミルク
夏、冬ともにスーツの違いはありません
そして、
体の部位によって、基本的に男子なら1~3センチ、女子は2~4センチしかゆとりは許されない。
引用元:朝日新聞
なのだそうです。
1cm違うだけで数mも飛距離が変わってくるのだそうですよ!
ちなみに、2012年夏には「ゆとり幅0cm」が導入されました。
しかし浮力がなくなる分落下速度が増し、転倒時の危険が増すため、すぐに撤回されました。
「ゆとり幅」があってもなくてもいけない、厳しい勝負の世界なのですね。
スーツの規定違反はよくある?
今回高梨沙羅選手が違反となってしまったのは、太ももが2cmづつ大きかったこと。
高梨沙羅選手は寒さで筋肉が萎縮していたのではと言われています。
もちろん規定に余裕を持ったスーツであれば誤差は気になりません。
しかし、アスリートは少しでも成績を伸ばすためにギリギリを狙います。
また、後でも述べていますが、アスリートの方々にとっては体重維持だけでも大変なものです。
海外遠征をし、食べ物が変わるだけでも体重が増えたり減ったりしますよね。
そして、一番多く「スーツの規定違反」が取られるのが「股下」なのだそうです。
これは女性陣なら多くの方が納得ではないでしょうか。
ピッタリとしたストッキングでもイメージすると分かりますが、股下なんて数cm単位で変わり得るでしょう。
ジャンプ台まで上がり、ジャンプで体を動かすと股下が変わることもあるでしょう。
よって、スキージャンプでの「スーツの規定違反」は良くあることだと認識されています。
他にもある規定違反
そしてスキージャンプはスーツだけでなく、板の長さや体重にもよって飛距離が変わってきます。
スキージャンプは、スキー板の長さが長いほど、体重が軽いほど有利になりますよね。
そのため選手1人1人の身長や体重から計算された板の長さで試合に望むことになります。
しかしみなさんもお気づきのように、身長はあまり変わらないとしても体重は100g単位で日々変動します。
例えば汗をかき過ぎて「体重不足で失格」というのも過去にあるのです。
高梨沙羅の失格・スーツ違反はいつ確認?
では、いつスーツの規格を確認しているのでしょうか?
ネット上では、
- もっと早くに確認してあげて!
- 飛ぶ前に規定確認できないのか?
- 関係者が規定を知らないわけがないだろう
といった多くの声がコメントされていました。
選手のスーツはスタート付近で「全員」が検査を受けます。
両足を40センチ開いた状態で立ち、股下や腰回りのゆとりなどをチェックします。
また、ジャンプ後に検査されることもありますが「全員が受けるわけではない」のです。
つまり、遠く飛んだ選手に疑念が抱かれ、検査されるということでしょうか。
多くの人々が納得いかないのは、この部分でしょう。
また、先述したように選手の体型自体も日々変わります。
アスリートとは、数g・数mm・0.1秒を競う人たちです。
体重やその日の水分によっても微調整が必要になってくるのです。
鷲沢コーチによれば、選手の日々の体調などによって体形は変化。体の水分状況によっても、脚部の大きさは変化するという。スーツのサイズは事前確認しているが、「ぎりぎりで攻めていかないとメダルを取れない。どのチームもぎりぎりまで攻めてやっている」と話した。
引用元:日刊スポーツ
もちろん試合の直前でもサイズ確認はされていたのでしょう。
しかし選手の体重も日々違う中、ギリギリを攻めて上を目指す世界。
スキージャンプではスーツの規定違反が多いそうですが、これも挑戦という意味では避けられないことなのでしょうか。